「パパ~もう疲れたよ~~!」
「何だよ…もうすぐ頂上なんだから我慢しろ。」
もみじやいちょうの葉がとても綺麗な晴れたある秋の日。
私はパパと二人で近くの山までハイキングに来た、けど…
「どうしてパパは疲れないの?私の足はもうしびれちゃってるのに。」
「伊達にトレジャーハンターやってる訳じゃないからな。
この位、平気さ。」
なんて元気な大人なんだろう、娘ながらそう思ってしまう。
友達のパパは忙しいって一緒に遊んでさえくれないって言うのに、私のパパは休みとなるといつも私とママを色々なところに連れてってくれる。
「ママも連れて行きたかったね。」
「今はまだお腹が大きいからな…また今度連れてってあげよう。」
そう。ママは今私の弟か妹を妊娠中。
出産まであと少しだからお出かけは控えなさいってこの前お医者さんに言われたのでママはお留守番。
パパもママの面倒を見ていてこの前まで何処にも連れて行ってくれなかったけど、今日はママとパパのお友達が来てくれたから久しぶりに2人でハイキングに行くことになった。
ママとパパと3人で何処かに行くことは毎週のことだったけど、パパと2人で何処かに行くのは初めてなので最初はちょっと緊張してた。
けど一緒にいるとどうってことなかった。
確かにママがいないのは心細いけど、パパは以外にしっかりした男の人だった。
さすがは(自称)世界一のトレジャーハンター。
「お土産においしい山菜でも採って帰ってやろう。」
「さんせーい!」
「その前に頂上まで歩こうか。」
「えーだからもう疲れたってばー!!」
「山菜を採りにいく元気はあるのに頂上まで歩く元気は無いのかい、お嬢ちゃん?」
うーん、レディに対する態度はちょっと改めて欲しいものだけど…
そんなこんなで私はパパに背中を押されながら何とか頂上にたどり着いた。
「うわぁ…綺麗…。」
山のてっぺんから見る景色はまさに絶景そのもの。
「だろ?お前が生まれる前から俺は母さんとここに来てたんだぞ。」
意外にそういうところにはロマンがあったのね、パパ。
しばらく景色を見てから後ろを振り向くとそこには沢山のキノコが生えていた。
採って下されと言わんばかりに。
「パパ~キノコとろ~!ママ、きっと喜ぶよ~!!」
「……えっ?そ、それは…」
「いいじゃんいいじゃん!!ねぇ採ろ~~!」
「…その前にお弁当を食べないかい?」
「え~パパがキノコ嫌いだからでしょ?私にはいつも好き嫌いせずなんでも食べなさいって言うのに~~っ!」
「お願いだから!キノコだけは…
と、とにかくご飯を食べよう!な、な?」
う~ん、確かに私もちょうどお腹がすいていたところだ。
ここはパパに合わせてあげるとしよう。
そうしてその場に座り込むと私とパパは朝作ってきたお弁当を広げた。
「ねぇ、パパ。」「ん?何だい?」
私はずっと聞きたかった質問をパパにした。
「赤ちゃんは何処から来るの?」
「ん…ん!?赤ちゃん?」
パパは口の中に入れていたものを出しそうになりながら答えた。
汚い。
「だってパパ、私が小さい頃は『赤ちゃんはコウノトリさんが運んできてくれるんだよ』って言ってたでしょ?
けどこの前はママのお腹に触って『この中にお前の弟か妹がいるんだぞ』って言ってたよね。」
「そ…それは…」
「もう騙されないわよ。女の子の目は鋭いんだから。
結局本当はどうなの?」
パパはただ呆然とした顔で私のことを見つめていた。
そんな顔されたって…
「…大人になればきっと分かる。だから今は何も聞かないでくれ…」
「え~」
「それ以外のことなら何でも話してやる、教えてやる。
だからそれだけは…」
しょうがない大人だな~
じゃあここは別のことを聞くとしますか。
「じゃあさぁ」
私はもう一つ気になっていたことを聞いた。
「どうしてパパとママは結婚したの?」
「う~ん、そう来たか。」
パパは少し考えると、約束通りしゃべり始めた。
(あとがき)
こんにちは!今回で二回目の投稿をさせてもらいました。
いきなり知らない女の子がナレーションを勤めちゃってますけど気にしないで下さい…。
ちなみにネタバレ(でも無いですが)しちゃいますとこの子、ロックとティナの娘です。
ロックが痛いですね…すみません。
そして前作以上に酷い文章が続いててごめんなさい…。
興味をもってくださった方(いないって)がいらっしゃったら嬉しいです。
ちなみに題名は某テレビ番組の名前をそっくりそのまま持ってきたものです。
多分知っている方もいらっしゃると思います。