貴方の為に戦うから…
この命に戦うこと以外の意味をください
冷たい雪が降りしきる中
目の前にはケフカ率いる帝国軍
今まで私に殺戮を繰り返させた彼と戦うことになるとは誰が想像しただろう
『兵器が操縦者に刃向かうなんて』
そう言って笑われたかもしれない
それでも今こうして対峙しているのは紛れもない現実だった
「大丈夫か、ティナ」
隣に立ち私に声をかけてきたロックの瞳は真っ直ぐに目の前に広がる軍勢を捉えていた。
この人は大切な人を奪われた
この人の掛け替えのない人を奪った中に私は居たのかもしれない
私がもしかしたらその命を散らしたのかもしれない
それでもこの人は私に手を伸ばす
それは私の力が必要だから
帝国を蹴散らすために
帝国が重宝したその魔導の力が
私の破壊の力が必要だから…
「---------------大丈夫」
魔力を放ち炎を纏う
炎が私の周りを踊り、私の中の力を吸い上げる
「戦えるから」
多くのものを奪った私の力を必要だというのなら
それがまた多くのものを奪うのだとしても
こんな私を護ると言ってくれた貴方が望むなら
私は喜んでこの力をふるいましょう
ねぇ…
そうしたら今は戦うことでしか意味を持てない私の命は
何か別の意味を持つことはできるでしょうか?
貴方は与えてくれるでしょうか?
願ってもいいでしょうか?
貴方がずっと側にいてくれますようにと
[あとがき]
こんばんは、久しぶりに投稿させていただきました。あかつきです。
『自分の存在に意味が欲しいティナ』をイメージに書いたのですが…どうでしょう;(汗)
読んでくださり有り難うございました。