※ かなり病んでるロックです…。
陽気なロックがお好きな方は、閲覧をお控え下さい。
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理由なんか、いらない。
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初めて見た君は、鏡のようで。
映し出される俺は、ただ愚か。
拒絶した未来、追い続ける過去。
自分を殻に、閉じ込めて。
どこまでも滑稽で、限りなく無様。
偽りの言葉も、空(から)の心も。
君の前では、意味を無くした。
そして、時を経て知った。
君は鏡なんかじゃなく、どこまでも無垢な。
誰よりも、孤独なひと。
自らを翻弄する全てを、必死に受け止めて。
ひたすらに、ひたむきに。
全ての『生』を、願って戦い続ける。
生命すら、厭わずに。
……ああ。
これ程までに、凄烈で。
これ以上はなく、悲しいひとを。
俺は、知らない。
だから君を、守ると誓った。
自己満足な贖罪ではなく、騎士道的な意思でもなく。
ただ、そうしたくて。
「……ロック。どうかしたの?」
「ティナ……っ!」
「え……」
無意識に伸ばした手で、強引に閉じ込めた身体。
華奢な身体の体温は、人のそれより少し低く思える。
その魂は、誰より強く輝いているのに。
何故君は、誰より儚く笑うのだろう。
そう、このまま。
腕の中で外気に溶けて、消えてしまいそうな程に。
「……ロック?」
君の声を、どこか遠くに聴きながら。
俺はただ、温もりをひたすらに求めて。
華奢な身体に縋りつくように、君を抱き締めたままだった。
触れる肌越しに届く、君の鼓動の音だけが。
ただ、現実だと信じたくて。
*
たったひとつ。
失いたくない、それだけ。
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突発壊れロック文です。何故だろう(汗)
本当は誕生日祝い的な、明るい話を書きたかったはずなんです。
今年はティナ文が投稿できなかったので、余計に頑張ろうと。
…なのに、どうしてこんな文章に…。謎です。