あの時から怖かった。
人に本当の自分を見せるのが…
「ねぇ…お願いだから…やめて。」
「駄~目。こういうものはちゃんと落とさなきゃ。」
ロックは私の手を振り払って手に持ったコットンで私の顔を拭いていく。
「化粧が…落ちちゃうじゃない…。」
「だって落とすために拭いてるんだもん。」
彼の手は止まらない。
そうして私の素顔はどんどん現れていく。
「駄目っ…」
「やめてとか駄目とかしか言ってくれないけど何で?
どうして化粧を落とされたくないの?」
「そ…それは…」
「言わないと止めないぞ?」
彼は悪戯っぽく微笑んで言う。
「あのね…」
帝国で育てられていたあの頃。
私はほとんどの時間をケフカの操りの輪によって支配されていた。
けどたまに、それが外されることがあって、そんな時私はケフカの部屋で「召使」として働いていた。
彼は毎日道化師のような化粧を欠かさなかった。
毎日本当の自分を見せる事を嫌っていた。
そんなある日。
私は見てしまった、彼の素顔を。
いつも真っ白く塗られていた化粧の下は小麦のように茶色く、髪は黒墨のように黒かった。
「よくも見たな…!」
私の気配に気づいた彼は私を痛めつけると操りの輪を付けて、二度と外してはくれなかった。
「だから…怖かった。本物の自分を見せるのが…
彼の様に、私も化粧の下にある顔は醜いんじゃあないのかな、って…」
彼は黙って聞いていた。
けどいきなり私の体を抱き寄せると勢いよく私の顔を拭いた。
「ちょっ…と…ロック!」
言う前に、顔の化粧が落とされてしまった。
「もう…駄目って言ったのに…」
「…可愛いじゃないか。」
「…へ?」
彼は私の顔をじいっと見つめた。
そうしたかと思うといきなり私の顔を両手で包み込み、宝石を見つめるかのような何処かまぶしそうな目で見てきた。
「化粧なんかするより絶対にこっちの方がいいってば!」
「…本当、に?」
「ああ、折り紙つきで保障する。
お前は可愛いよ、化粧なんかしなくても。」
「…ありがとう。」
私は顔を包んでいる彼の手に触れた。
それもつかの間…。
「ちょっと!ロック、何やってるの!?」
「何って…化粧も落とした事だし…本題に入ろうと…」
「やめてよ!手が早いんだから!もうっ!!」
私はベットの上に押し倒そうとする彼の頭を少し力を入れて引っ叩いた…。
(あとがき)
試験明けからこんなものを…
久しぶりに書いたからか、クオリティがめっちゃ低いですね…(いつものことじゃないか)
ごめんなさい!次回はもうちょっとまともなの考えます!
それとケフカの素顔ですが…
色々なサイト様で「ケフカの素顔は絶対美男子系!」と仰っている方が多いのに私は「素顔はnot美男子」にしてしまいました、すいません。
いや、このストーリーの展開で美男子だと辻褄が合わないので…
(というより怒る理由にならないので)
きっとケフカ様の素顔はミキティみたいな感じなのでは…と思ってます。
世界中のケフカ様ファンの皆様、申し訳ございません!