俺が此処に来てもう3ヶ月が経った。
一応モブリスの村での生活には慣れてきたので苦しい事とかはあまり無い。
セリスと破局した後、再び愛する人を守れなかった自分を恨んでいた。
そんな時、遠くの町へ買い物に行っていたティナに再会したのだ。
彼女は俺の苦しみに薄々気づいたらしく、「こっちに来る?」と優しく声をかけてくれた。
ティナはいつも優しかった。
俺が物思いに耽って窓から空をじーっと見ている時、彼女はまるで母親の様に隣に座って寄り添ってくれた。
そんな彼女の心遣いもあって、今となっては失恋や自己嫌悪による苦しみも消えうせてしまった。
俺は此処に来て良かったのかもしれない。
…俺がティナに惚れてしまったことを除いては。
「あら、ロックったらこんなところで寝て…」
ソファの上で狸寝入りをしている俺にティナは毛布を掛けた。
そして俺の右手を自分の胸元に寄せた。
「いつも頑張っているからかしら…疲れちゃったのね。」
そう呟いてもう片方の手で俺の額をすうっ、となぞった。
この先、どうするか…
このままでいてもいいのだけれども、やはり確かめたい事がある。
「ティナ。」
俺はくるりとティナの方を向くと彼女の顔と向きあった。
「え…ロッ…ク?」
本当に寝ていると思っていたのだろう。
ティナは困った顔で視線を反らす。
「ちゃんとこっち向いて。」
俺は無理矢理こちらを向かせた。
「ティナは俺の事、好き?」
「え…あ、はい…。」
「恋人として?」
「…!?」ティナは顔を赤面させて、黙ってしまった。
俺はそれをさぞ面白そうに見つめていた。
しかし、こうしていてもラチがあかない。
言おうとしないなら…
「え…ちょっと、ロック…!」
ティナを抱き上げ、ソファの上に乗せると、俺は彼女を押し倒して馬乗りになる。
これでもう、逃げる事はできないはずだ。
「俺の事、好き?恋愛の対象として。どうなの?」
ティナは顔を更に赤くして目を閉じてしまった。
俺はそんなティナの目尻にキスを浴びせた。
「言わなきゃ、ずっとこのままだぞ?」
笑いながらそう言って、俺はティナをいじめ続けた。
こうしていれば、ティナは嘘でも俺の事を好きだと言ってくれるだろうと思ったからだ。
しかし…
「ママー!!パイ焼くの手伝って~!!」
ドア越しに聞こえる子供の声。
さすがにガキの前でこんな姿は見せられない。
俺はティナを解放すると体を起こしてあげた。
ティナは俺の事を何処か申し訳無さそうな瞳で見つめるとドアを開けた。
…そして子供達のところに行ってしまった。
「…やっぱ、今は子供が一番、なのかなぁ…。」
俺は一人で呟いた。
俺の気持ちを伝えるのは、もうちょっと後になってからにしよう。
思うと、俺はソファの上に寝転がった。
(あとがき)
皆様!お久しぶりです!!
いきなり変な作品をアップしちゃってすいません!!
なんか、こういうロクティナを書きたいと言う出来心が起きまして…(起こすな書くな)
ロックはティナの母性愛に惚れ込んでるといいと思います。
その内にそれが一人の女として見る目に変わってくれたらなぁ、と…(変)
次はもうちょっとまともなものを書かせていただきます!
(いつもそればっかじゃん…)