じーーーっ…
パパが恨めしそうな顔でママを見つめていた。
「パパ、ママと何かあったの?」
そう聞くのが一番いいのかもしれないけど、このパパの様子でそんな事は口に出来ない。
ママはそんなパパに気づく様子も泣く、この前生まれたばかりの弟にお乳を与えていた。
…どうしてこんなに不機嫌なんだろう?特に喧嘩した様子も無いのに。
どうしても心配になった私は耐え切れなくて、ママが部屋を出て行った後でパパに聞いてみた。
「何でママの事を睨みつけてたの?」
パパは目をぎょっとさせてこちらを見つめた。
「…え?」
「え、じゃないよ!ママの事、こーんな目して見てたよ?」
私が目を尖らせるとパパは私の耳元に口を寄せた。
「…最近、あいつにベタベタしすぎでパパの事を構ってくれないんだよ。」
ブッ、と噴出しそうになるのを何とか堪えると真面目な顔を作って言葉を返した。
「だってあの子はまだ赤ちゃんなんだよ!世話しなきゃいけないじゃない!!」
「けどなぁ…」
これだからパパは。
この様子だと若い頃からママだけじゃなくて周りの人たちも困らされていたんだろうな…。
「分かったよ!私が何とかしてあげるから。」
「へ?え?」
お約束通り、パパは困った顔をして私の事を見た。
「但し!一日だけよ?それ以上はしてあげないからね。」
「何とかするって…それに一日って…?」
「いいからいいから!」
パパは頭を掻きながら寝室へと入っていった。
***
「え…あいつが?」
「ええ、何でも朝早くにあの子を連れて散歩に行ったみたい。」
「ふーん…。」
パパが少し困った顔をしているのが窓越しに見えた。
多分あちらからはこちらの外での様子が見えないのだろう。
私は弟を抱っこしながら二人の事を見つめた。
弟は未だにすやすやと眠っている、楽なもんだ。
「…何時頃帰って来るのかしら?」
「朝飯前には戻ってくるさ。…それより、支度を手伝おうか?」
「あっ…ええ。」
いつもいるはずの喧しい子供二人がいないからか、パパもママも何処かぎくしゃくしている。
…本当に世話のやける大人達だ。
「…思い出すな。」「…何を?」
何か、いいムードになってきたみたい。さすがはパパ。
「…あいつらが生まれる前って、こんな感じだったよな。」
「ええ、あれはあれで明るくて良かったわよね。」
ちょっとちょっと、私達は邪魔って事ですか。
「けど…今の方がいいわ、絶対に。
あの子達がいない生活なんて、私には耐えられない。」
「…モブリスの子供達の事がまだ忘れられないんだな。」
ああ、そうだった。
ママはパパと駆け落ちして村の子供達と離れ離れになっちゃったんだっけ。
「あの子達を見ていると、あの頃を思い出すの。」
そしてパパに微笑みかけた。
パパは少し申し訳無さそうな顔をして言った。
「ごめんな…焼きもちなんて焼いたりして。」
「?」
ママは少し不思議そうな顔をしたけど、すぐに視線を下に落とした。
「…あの子達が帰ってくるまでに作っちゃいたいから、悪いけど食器用意して貰っていい?」
「…ああ。」
そんな様子の二人を、私は今だに起きそうも無い弟を揺らしながらそっと見つめていた。
<あとがき>
皆さんお久しぶりです、そしてごめんなさい。(いきなり)
試験明けから見苦しい文章を失礼しました…。
パパザウルス…何処まで続けるつもりなんでしょうね、こいつは。
多分、これで最後になると思うのですが…。(これ以上どう続けると?)
最近学校で文芸同好会に入ったのですが、周りがプロばっかりで劣等感を感じます。
やっぱり小説を書くのは難しいですねぇ…。
すいません、次来るときはもう少し精進して参ります…。