「おかえりなさい!」
私が足を踏み入れた瞬間に大勢の声が聞こえた。
そう、それは・・・。
「あ・・・。」
モブリズの子供達。
焼き払われていた村が元の村へと変わっていた。
他の村の家を無くした住民達がモブリズに住み始めていた。
「ティナ、大丈夫か?」
ロックが声を掛けてくれた。
私は大丈夫と言って頷いた。
その時、遠くの家のドアが開き、二人の人影が見えた。
そう。 ディーンとカタリーナだった。
かつて自分がお世話になった人達。
私は1歩1歩近づいた。
「おかえり、ティナ。」「お帰りなさい、ティナ」
でも私は首を振った。
私は帰って来たわけではないのだから・・・。
「ティナ?」
2人の人間が私を心配してくれた。
けど私はまた首を振った。
それは「大丈夫」と意味を込めてだった。
けれど、首を振っているのだから気持ちが伝わるはずは無い。
伝わるとしても、彼にしか伝わらない。
「ティナ・・・お前。」
そう、私の言う「彼」とはロックのこと。
彼は私のことを理解してくれている。
同時に私も彼のことを理解しているつもり。
だから彼にもディーンにもカタリーナにも心配は掛けられない。
するとロックがディーンに向かい、あることを言ってくれた。
「あの、ティナはどうやら久々の長旅で疲れているようなので
宿屋に連れて行って頂けますか?」
ディーンは少し驚いたようだったけど私達を宿屋に連れて行って
くれた。 やがてディーンとカタリーナは家に戻っていった。
私の傍に居てくれるロック。
彼が傍に居ると心が落ち着くようだった。
私は彼に向かい、ありがとうと言葉を放つ。
すると彼は私を見つめ、こちらこそありがとう。と言ってくれた。
そして彼は私にもう一つの言葉を言ってくれた。
「大丈夫だよ。俺は君を守るから。ずっと傍に居るから。」
と。 私は顔が赤くなっているように感じたけど、そんなことよりも彼の言葉が嬉しかった。
暫くすると彼が笑い出し、私もそれにつられて笑ってしまった。
私は笑い終えると共に深い眠りについてしまった。
でもそれは嘘寝だった。
彼は本当に寝たのか確認もせずに私の耳元で、
「ありがとう」と言ってくれた。
私はそれからというものの記憶が無かった。
きっと深い眠りについていたのだろう。
~あとがき~
どうも、皆さん。
なんだかモブリズとあんま関係ないなぁ・・・と思ってしまったので
思い切ってタイトルは変えておきます。