ああ、何でパパはこうなんだろう?
いっつも、ママを子供みたいに扱って。
何か、私よりも心配されちゃってるし…。
「ティナ!6時までに帰って来なきゃ駄目じゃないか!」
「風呂には俺と一緒に入るの!」
「一緒に寝なきゃ駄目!一人で寝るんじゃないっ!!」
ああ。もうバカップルという枠にさえ、入っていないのかもしれない。
どれもこれも、大人が子供に言い聞かせる事ばかりだ。
まぁカップルって言っても、パパが一人で熱くなっちゃってるだけだけど…
でも、それ以上に不思議なのがママだ。
あら、ごめんなさい。って…。
どうして怒らないんだろう?
私だったら、今すぐにでも家出してやるのに…。
「ねぇ?何で怒んないの?」
私は、勇気を出してママに聞いてみた。そしたら…
「別に、怒ってないからよ。」
この、一番納得の出来ない回答をもらってしまった。
「怒ってない訳無いじゃない!
嫌じゃないの?あんなにしつこくつきまとわれて…」
ママはきょとん、としてしまった。
こういうところとか見ても、やっぱり天然だ。
そして、パパが一番好きなところだ。
ちょっと待ってて。
ママはそう言うと、部屋のクローゼットに仕舞ってあった箱を持って来た。
中に入ってるのは、全て黄ばんだ封筒。
「これ…もしかして…。」
「ええ、パパがママにくれたのよ。」
ほら。トレジャーハントしてる時に、一人じゃ寂しいだろって…。
どうやら、パパは毎日手紙を書いていたらしい。
「それでね、パパはその…えっと。」
「ママが好きでたまらないんだって、分かったんでしょう?」
カッ、と顔を真っ赤にするママは、娘の私から見ても可愛かった。
何処までも純粋なんだなぁ、って…。
でも…
「いっつも言われっぱなしは駄目だよ?」
じゃないと、パパきっとどんどんエスカレートしちゃうぞって。
「あ、うん…今度から、気をつけるね。」
ママは、やはり戸惑いながらそう言った。
それを聞いて安心した私は、部屋に戻って眠りにつこうとした。
しかし…
「ティナ!お休み前のキスは?」
あっ!そうだった。
そんなママの声を聞いて、やっぱり駄目だと思ってしまう。
パパはいつまでもモンスターハスバンドで、ママはいつまでも忠実な奥さんなのだと思った。
そして。
私はそんなバカップルとの間に産まれた娘なのだと…
<あとがき>
百子の頭はバーストしているのだということが文章からひしひしと伝わってきませんか?
おおっと、挨拶がまだでした。
お久しぶりです、百子です。
ずっとご無沙汰しておいて、仕舞いにはこんな小説書いちゃっててすみません…。
今流行り(?)のモンスターペアレントを捩った「モンスターハスバンド」です。
そのまんまです。
ロックは何処までも夫馬鹿なのだと信じて止まない百子の脳みその中がしっかり見えてますよ!という…
こんな駄文を読んでくださって、ありがとうございましたっ!!
いつも読んでくださる皆様には、本当に感謝です。