<作品展示場の 滝川由良 様 のイラストを拝見して。>
※先にご覧になっていただくと、よりお楽しみいただけると思います。
というより、むしろ、私の駄作を読みながら素敵イラストをご覧になってください。
お願いします。
では。
* * *
お願い…
早く、起きて…
でないと――
わたしのむねが、おかしくなってしまうから――
『ふしぎなきもち』
ちらり、と。
わたしは、また、彼の顔をみて。
そして、おなじように、ひざのあいだに顔をうずめた。
……さっきから、ずっとこうしてる。
いっしょに本を読んでたら、彼はさきに眠ってしまって。
つかれたのかな、と。
はじめはそう思ったのだけど。
だんだんと、彼の気配が気になって。
どんどん、集中することができなくなって。
もう、本を読むこともできない。
それに…。
いまは、それだけじゃなくて。
わたしはふしぎなきもちをかんじていた。
なんだか、むねがおかしい。
もやもやしていて、ふわふわしていて。
すごく、気持ちがいいのだけど。
なのに、にげだしたくなるぐらいに、苦しくなっている。
そう、ほんとは、今すぐにでもにげだしたい。
でも。
彼はわたしによりかかって眠っているから。
肩の重みがきもちいいから。
わたしにそれを、許さない。
「……」
なんでだろう…
ちょっと、顔があつい。
……ほんとうに、ふしぎ。
にげだいたいと思っているのだけど。
おなじように、動きたくないと思っていて。
矛盾した、わたしのきもち。
このきもちはなんだろう……?
「うん……」
「…!」
とつぜん、彼が息をもらした。
動いた気配が、となりで。
起こしちゃったのかな、とおもって、彼の顔をみた。
でも、それがいけなかった。
小さく身じろぎした彼は、いっそうわたしに近づいて。
あどけない寝顔が、さらにわたしに近づいて。
かすかな寝息を感じられるほどに、その距離は近くて。
むねが、ばくはつするような、あつさをかんじた――
「~~っ」
* * *
またわたしは、ひざのあいだに顔をうずめて。
息をすることさえも、わすれてしまって。
まるで、石になったかのように、動けずにいる。
ただ、顔が、体中が、あつくなるのを感じていて。
ただ、あなたの存在を、つよく、つよく、感じていて。
むねが驚くぐらいに、はやくうごいていて…。
「……っ」
お願い……ロック……
早く…起きて……
でないと、わたし…わたし――
――むねが、はれつしてしまいそうなの――
* * *
その感情の名前を。
少女は。 まだ、知らない。
FIN.
あとがき
勉強の息抜きと思って覗いてみたら。
ロクティナ魂刺激されて、書いてしまったこの作品。
……どれだけロクティナが好きなんだ、自分は!
とにかく、駄目文ですが、お楽しみいただけたら幸いです。
あと、ご挨拶は追記にて。
私が書くと、どうしても長くなりますので。(苦笑)