「…パパ?」
私は何か物思いに耽っている様子のパパに声を掛けてみた。
でも、返事はない。
何を考えているのだろう…?
パパは、ドアの方を見つめて動かない。
ママが来るのを待ってる。きっと、いや絶対そうだ。
でもママは、台所に行ったまま出てこない。
何してるんだろう?
パパだけじゃなく、私まで心配になってきた。
私は、黙ってママの所へ掛けて行った。
***
「…ママ?」
ママは困った様子でチョコレートを見つめていた。
どうやら、ちゃんと固まらなかったらしい。
少し泣きそうな顔をしていて、心配になった。
でも、何で?
「…今日はね、好きな人にチョコレートを渡す日なのよ。」
朝起きたとき、そう言って嬉しそうに台所まで掛けていたママの事を思い出す。
そっか、だからママは…。
「じゃあ、これ渡したら?」
そう言って私は、花瓶に差してあったユリを渡した。
目をパチクリとさせて驚くママ。やっぱりまだ子供なんだ。
私はママを押して、パパのところまで連れてった。
***
「…ティナ!心配したぞ?」
大袈裟に見えるけど本人は大真面目らしく、パパはママを抱いて離さない。
「ごめんなさい…チョコレートは…」
「そんなのはいいから。」
そう言って、ママが苦しくなるんじゃないかと言う位に抱きしめる。
「ロック…苦しい。」
顔を赤らめて、ユリの花を潰さないように扱って。
私は、そんな2人を遠くから眺めていた…
【あとがき】
「バレンタインは、昨日過ぎてしまったのよ?」
すいません…昨日はパソコンを使えず、翌日の更新になってしまいました。。
書いてて、やっぱり物凄く恥ずかしかったです。
生きる事17年、私は義理チョコ以外のチョコレートをあげたことがありません。
そして、貰ったことも…
いつも駄文ですいません。。
ではっこの辺で…