作品展示場

当サイトに投稿された作品のまとめです。

index  reset  RSS

作品表示

「バレンタイン」 百子

「…パパ?」

私は何か物思いに耽っている様子のパパに声を掛けてみた。

でも、返事はない。

何を考えているのだろう…?

パパは、ドアの方を見つめて動かない。

ママが来るのを待ってる。きっと、いや絶対そうだ。

でもママは、台所に行ったまま出てこない。

何してるんだろう?

パパだけじゃなく、私まで心配になってきた。

私は、黙ってママの所へ掛けて行った。

***

「…ママ?」

ママは困った様子でチョコレートを見つめていた。

どうやら、ちゃんと固まらなかったらしい。

少し泣きそうな顔をしていて、心配になった。

でも、何で?

「…今日はね、好きな人にチョコレートを渡す日なのよ。」

朝起きたとき、そう言って嬉しそうに台所まで掛けていたママの事を思い出す。

そっか、だからママは…。


「じゃあ、これ渡したら?」

そう言って私は、花瓶に差してあったユリを渡した。

目をパチクリとさせて驚くママ。やっぱりまだ子供なんだ。

私はママを押して、パパのところまで連れてった。

***

「…ティナ!心配したぞ?」

大袈裟に見えるけど本人は大真面目らしく、パパはママを抱いて離さない。

「ごめんなさい…チョコレートは…」

「そんなのはいいから。」

そう言って、ママが苦しくなるんじゃないかと言う位に抱きしめる。

「ロック…苦しい。」

顔を赤らめて、ユリの花を潰さないように扱って。

私は、そんな2人を遠くから眺めていた…

【あとがき】

「バレンタインは、昨日過ぎてしまったのよ?」
すいません…昨日はパソコンを使えず、翌日の更新になってしまいました。。

書いてて、やっぱり物凄く恥ずかしかったです。
生きる事17年、私は義理チョコ以外のチョコレートをあげたことがありません。
そして、貰ったことも…

いつも駄文ですいません。。
ではっこの辺で…

Title
「バレンタイン」 百子
Posted
2009/02/15
Category
ロクティナ・SS

URL

script:WebLiberty skin:wmks ::admin // reset / page top↑