「待ってよ、ロック」
彼の背中を追いかける。
裸足で走るのは、ちょっぴり痛い。
それに、あなたは早すぎる。
「もぅ、ロックってばぁ・・・返してよ~!」
「だって、もう一回髪を解いた所が見たかったんだよね」
悪戯っぽく笑う、あなた。
私のリボンは今、彼の手の中。
生き返った大地を駆け回り、あなたを追いかける。
冷たい草の感触が足から伝わる。
私の解かれた髪の毛が、風と一緒になびいた。
世界が、少しずつだけど生き返っている。
でも私は今死にそうなんだけど・・・。
やっと彼に追いついた頃には息が切れて、もうへとへと。
彼は逆に元気そうで、私をにこにこしながら見つめる。
「ね、返してよ」
私が手を伸ばすと彼はリボンを頭上に上げてしまった。
眩しい太陽が、彼とリボンを照らした。
「もう!意地悪」
私が座り込むと、しばらくしてから彼はどこかに行ってしまった。
・・・リボン返してもらってないんだけどなぁ
すると彼は私のブーツを持って戻ってきた。
「はい。どうだった?草の感触は」
息を切らしながら笑顔で尋ねる。
「うん。素敵だったな・・・」
私の手にリボンがそっと落ちてきたかと思うと、ロックの唇が頬に触れた。
「これからも、ずっと一緒だよ。ティナ」
また走りたい。
この緑の世界を、あなたとまた裸足で。
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うっわ・・・ロックやばい。
この内容は日産NOTEのハイジのCMを見て思いついた物です。
あと、ケフカを倒した後の平和の世界の物語です。