硝子のような愛は儚くて。
大切に扱わないと崩れてしまいそうで。
クリームを混ぜれば混ぜるほど周りが見えなくなる。
ティナと俺の愛は、多分そんなもの。
「ティナ!」
優しく呼ぶと、きゅっと目を細める君。
愛しくて、たまらない。
なのに君は愛を知らないんだね。
「ロック」
翠色の髪を揺らし、飛空挺の甲板から飛び降りた。
「危ないよ!ティナ!」
軽くて、真っ白な体を受け止めるとティナは俺の首に手を回した。
「早くあなたに会いたくて」
分かってる。
分かってるよ。
これは愛なんかじゃなくて。
違う「好き」という意味なんだ。
「・・・そっか」
「怪我はしてない?」
耳元で聞こえる声は甘くて。
風のように冷たくて。
君にこの愛を伝えたい。
「ティナ・・・俺だって会いたかったよ?」
「ロックってば・・・フェニックスの洞窟に行ってからなんか変わったみたい」
フェニックスの洞窟・・・。
死者を生き返らせる幻獣を見つけに行った洞窟・・・。
「あのね、ロック。私も変わったのよ」
「何?」
にっこりと微笑んだ。
ティナは俺に再び抱きつくと、ちいさく囁いた。
「モブリズの村に行ってね・・・愛を知ったのよ」
「愛・・・を?」
「うん。ロック、愛してるわ」
儚い愛は悲しい。
霧に包まれた愛を、手探りででも掴んで見せる。
それがトレジャーハンターってもんなんだ。
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ど~も~!
ネタバレ注意・・・なんですかね、これは?
ロックの片思いバージョンでございます