ロックの部屋のドアをノックしても、返事が返ってこなかった。
「ロック?」
何気なくドアノブを回すと鍵のかかっていないドアは簡単に開いてしまう。
勝手に覗きこむ事に後ろめたさを感じつつ部屋中を見回すと、
本を開いたままソファでうたた寝しているロックの姿が目に入った。
わずかに開いた窓からは11月の乾いた空気が流れ込んできて、
ロックの前髪をサラサラと流れていく。
「ロック…?」
起こさないように抜き足さし足で近づいて、そっと名前を呼んでみた。
年上の彼氏は相変わらず熟睡中で、起きる気配など微塵もない。
―――ふと、いたずら心が芽生えて。
目を閉じて、眠るロックにそっとキスを落とした。
いつも不意打ちでキスしてくる恋人に対する、それはちょっとした
仕返しでもあったのだけど。
「誕生日おめでとう、ロック」
この行為が自分しか知らないロックとの秘密のようで、得意になって
その場を去ろうとしたら、いきなりガシッと手をつかまれた。
驚いて振り返ると、眠っていたはずのロックがこちらを見て
にっこりしている。
「それだけ?」
「… え?」
つかまれた手を引っ張られ、あっという間にソファに押し倒された。
嫌でも高鳴ってくる心臓。
「ね、眠ってたんじゃなかったの?」
「起こされた」
「寝てていいよ!」
「もう遅い」
そう言って、自分の全体重をかけて私から自由を奪う。
有無を言わさぬ激しいキス。
「…今日は俺の誕生日だから」
キスの合間にロックはそう言うと、いたずらっぽくウインクした。
悔しいけど、この笑顔には敵わない。
「誕生日プレゼント、頂きます」
「ロック!!」
真っ赤になった私の顔を笑いながら両手で包み込むと、
ロックは再びキスを落とした。
ロックへの不意打ちは、まだまだ修行が足りないみたい、です。
<あとがき>
お久しぶりを通り越して初めましてに近づいてしまったぐらいの
お久しぶりです。チョコです。
ティナの誕生日を逃し、「せめてロックだけは」と頑張りました!!
(誕生日は過ぎちゃったけど。。)
でも誕生日だから~と思ってロックに好きにさせたらこうなっちゃった。
エロエロだな、ロック。(押しつける)
て言うかティナの名前が全く出てきてないー
ロックごめんーー
遅くなったけど、HAPPY BIRTHDAY!!