どんな色にも染まらない。
どんな色でも染められない。
それが、君の色だから。
*
『貴方は青、かしら』
首を傾げて、君が言った。
『服の色が?』
俺が笑うと。君はそっと首を振って。
『貴方の背負う光』
『どこか、寂しげ』
やっと最近、笑顔を覚えかけた君。
その笑みは本当に微かで、幻より儚い。
そんな笑顔で、寂しげな瞳で。
どうぞ、消えてしまわないでと。
願わずにはいられなかった。
*
『君の色は、白だな』
彼の指摘は、私にとって意外。
『私は……全て血に染まってるから』
否定すると。貴方は悲しげに微笑んで。
『君は絶対に白いままなんだ』
『だから、魔をも魅了してしまう』
このひとの温かさを、包み込む腕で感じる。
その表情はどことなく痛そうで、涙より哀しい。
そんな笑顔で、寂しげな瞳で。
どうぞ、消えてしまわないでと。
祈らずにはいられなかった。
*
どうかずっと、そのままでいて。
きっと、君を見つけ出すから。
───
思いつきで書いてみました……。