何度も。
何度でも。
君を、呼ぶ。
*
妄執だと、決め付けられたわけではないが。
振り返ってみれば、そうでしかなく。
似ても似つかぬ若草色の中に、俺が見ていた青い幻。
動かぬ時の中だけで輝く、永遠の過去。
今も、ここに。
ぎゅっと掴んだのは、自分の胸。
驚くほどの早鐘が、確かに今、自分が生きていることを教えているけれど。
滑稽なほどに存在感のない、自分の意識。
今、ここに、生きているという自覚。
俺は、どこに?
過去の彼女と、君との違いは、明白。
過去の彼女は、未来を信じ、明日を見据えて立っていた。
君は、違う。
全てを受け入れ、未来を諦め、消えていく。
君は、俺に、近い生き物。
だから、手を伸ばした。
だから、惹かれていた。
そんな些細なきっかけに、気付いたのは、今更だけれど。
でも。
今度こそ、迷わずに、君の手を取る。
必ず、守り抜く。
……だから。
君も、どうか、答えて。
*
繰り返し。
繰り返し。
君を、呼ぶから。
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久し振りに一作捻ってみました、が。
最近明るいロクティナから遠ざかっている気持ちがもの凄く致します…。
来月頑張ってみようか、と。